シンテゴンでは、国際色豊かなメンバーが活躍しています。今回は、ドイツで宇宙物理学を学び、新卒で検査機事業のR&D部門に入社したJanさんにインタビューします。
以前は星や惑星を研究されていましたが、現在のビジョンシステム開発の仕事に携わるきっかけは何でしょう?
実際のところ、2つのテーマはそこまでかけ離れていません。大学で勉強していたときも、現在仕事で関わる外観検査においても、物理学が重要な役割を果たしています。注射剤の検査では、粘度や不透明度が変化する製品に対して、適切に照明を当てることが挑戦的な課題としてあります。また、私はもともとプログラミングに興味がありましたので、個々の顧客の要求に合わせてビジョンレシピを最適化するという現職の業務に繋がっています。
入社後は、徐々に仕事に慣れていきましたか?
私は初日からチームの仕事に携わることになりました。2020年、シンテゴンはAmgen社とともに、シリンジ容器に入った高粘度液剤に混在するガラス異物と気泡を区別するため、特殊なトラッキング機能を用いたビジョンシステムを開発し始めたところでした。目標は、良品の誤検知率(※)を最小限に抑えること。このプロジェクトは、当社にとっても顧客であるAmgen社にとっても未知の領域でしたし、私は早々にこのようなプロジェクトに携われることに胸が高鳴りました。プロジェクト終了後の2022年には、ベルリンで開催された PDA Visual Inspection Forumで、Amgen社とともに結果を発表する機会をいただき、素晴らしい締めくくりとなりました。
(※)製品品質に問題がない気泡を、不良である異物と誤って不良品と判別してしまう割合のこと。
当プロジェクトで学んだことは何ですか?
プロジェクトの成功は、誠実なコミュニケーション、明確に定義されたマイルストーン、顧客との緊密な協力関係が重要だと学びました。特に外観検査では、お客様の洞察力が必要です。私たちは、どのような欠陥がどれくらいの頻度で発生するのかを知ることで、検査の課題を現実的に把握することができます。そこで初めて、顧客の要求を真に満たすソリューションを考え出すことができるのです。実際、顧客からのフィードバックは、私たち研究開発の取り組みに大きな原動力を与えてくれています。Amgen社とのコラボレーションはその好例です。1%未満の良品誤検知率を実現する目的のもと、特別なトラッキング機能を開発するに至ったのも、Amgen社からのフィードバックがきっかけでした。
シンテゴンジャパンに就職するため来日されましたが、大変だったことはありますか?
全く問題ありませんでした。私は大学時代に、日本人学生の交換留学プログラムに参加していたので、文化にはかなり精通していました。それにパートナーも日本人なので、日本に来ることは難しい選択ではありませんでした。私は写真が趣味なのですが、日本の美しい景色や名所にとても感激しています。この国を探索するときは、絶えず完璧な写真を撮るために、適切なモチーフと照明を探しています。美しくライトアップされた夜道の雰囲気を撮ろうとすることもあれば、森の丘や海に反射する太陽の光を撮ることもあります。私の趣味は仕事と似ていて、完璧な写真を撮ることなんです。
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生産およびサービス グループのフィールド サービス エンジニアである上村和也は、セットアップ中の顧客をサポートし、世界中で機械の検査を行っています。
「アフターサービスとプロジェクト、それぞれ異なる緊張感がある中で、お客さんに納得いただける仕事を達成していくことがやりがいだと思います」
製薬業界が作り出す新薬は、多くの患者の寿命を劇的に延ばしています。しかし新薬開発に係るコス トは日に日に増加し、他の業界よりも多くの資源を過剰に消費していると言われています。